「音魂よ、舞い上がれ!」の現在の制作状況

久しぶりの更新です。

今回は、「音魂よ、舞い上がれ!」の現在の制作状況についてご報告させていただこうと思います。

 

この本の企画を始めた去年の秋の時点では、遅くとも2月下旬には発刊したいと思っていました。で、今はもう2月下旬です。発刊を楽しみにされている皆さまには大変申し訳ないのですが、もう少しお待ちいただければと思っております。

 

そのかわりといっては何ですが、このブログで、今後、出雲での取材の内容とか、読みどころなどを、少しづつご紹介させていただこうかと考えております。

 

その前に、まず、製作が遅れている理由ですが、一言でいうと、コンテンツを何度も改定しているためです。

 

この「音魂よ、舞い上がれ!」の場合は、システムの様に、機能要件を設計して、テストを繰り返して、デザイン通りに動くかについて、ロジカルに検証しています。そして、改定しています。

 

言い方を変えると、色々な人に、いろいろな観点から、なんども叩いてもらい、その要求に対応していくことで、品質を高めようという考えで作っています。

 

すでに以前のブログでも書いていますが、筆者は既存の業界の暗黙知としてのノウハウを身体で習得しているわけではないため、試行錯誤で独自のノウハウを作ろうとしています。

 

1回目の改定では、ある出版社で使われているチェックリストで要素を点数評価をして、改善可能な部分を変えています。これはハイレベルな観点での評価です。この部分の知識は、編集というよりは、マーケティングのノウハウと言ったほうがいいようなもので、少人数でやっている会社には当てはまらない所もあるのですが、適用出来る範囲で、基本に忠実に考えようとしており、いちおう対応できたと思っています。

 

2回目の改定では、出雲地方に詳しい方から地元の観点でのアドバイスをもらい、その後出雲のパワースポットを取材し、さらにプロのサックス奏者の方にも取材して、そのコメントを反映しています。出雲と音楽は、読者層を意識したコンテンツの肉づけが目的です。取材は校正の一環です。

 

3回目の改定では、ある文藝の専門家の方からもらったいくつかの具体的なコメントを反映して文章を修正しています。日本の小説には、守らなければならないあるお作法があります。編集というより、作家の側の品質のチェックリストのようなものがあるのです。

 

そして現在、筆者が校正をしながら内容を検討しており、必要であれば、今後4回目の改定をする事になります。

 

校正とは言っても、主に、日本語の手直しです。筆者は、この本の内容は、日本文化の核心部分が面白く理解できるので、将来的には英語圏でも読まれる本になると思っているのですが、現在の原稿の日本語では、そのままでは翻訳ができません。日本語では文章の骨格まで省略することができ、それでもニュアンスとして日本人には伝わるのですが、英語圏では言語化しないと意味が理解されません。そのため、少なくともデジタルに翻訳できるレベルの日本語に書き換える必要があります。現在、この作業にかなりの時間をかけています。

 

「音魂よ、舞い上がれ!」は、全部で6巻あり、今回刊行を予定しているのは最初の2巻で、出雲地方を舞台とした話です。この2巻は古事記を題材にした神々の話で、神道や、日本人について、深く考える素材を与えてくれます。

 

古事記は、日本の神話なのですが、普通の人は、オリジナルの古事記物語を現代語訳したものを読んでも、正直、意味がよくわからないだろうと思います。筆者も分かりません。

 

ところが、「音魂よ、舞い上がれ!」を読むと、曖昧模糊とした古事記物語が、急に活き活きとしてくるのです。なにか、おとぎ話が3Dのハリウッド映画になった感じです。

 

それだけでなく、この小説のなかには「心の種」つまり、自分や人間や社会のあり方について深く考えるきっかけになるような、非常にたくさんの要素が含まれています。

 

ただ、筆者自身、この小説の中に含まれた要素について、まだ十分に整理が出来ていません。何しろ、2巻で600ページもあり、非常に長編であるということもあります。システム開発に例えると、システムの機能拡張をしているうちに、いろいろな機能が追加されて、マニュアルの改定が間に合わないというような感じでしょうか。

 

編集人としては、最初の読者として、含まれたテーマや、問題提起や、情報をきちんと整理して、自分の中で消化して、構造化する事が必要で、それが出来ないと、読者に対して、この本が提供する価値についての投げ掛け、ないしプレゼンテーションが出来ないということになります。その段階に至るまで、編集人である筆者の中でも、もう少し時間をかけたいと思っています。

 

いずれにしても、今後、随時進捗をお伝えしてまいります。